小海町 唐松と共に暮らす家〔2014年12月18日〕奥様より
美し信州建設との出会いは人生の貴重な宝物の一つになりました!
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ここに家を建てましょう」中嶋副社長の力強い一言が、私と信州建設さんとの長いお付き合いのスタートでした。空気は冷たいけれど、良く晴れて八ヶ岳がまぶしい冬の日、私の目にはそこに立つ家が見えたようでした。現実はトタンに囲われた草だらけの畑であったにもかかわらず。
小海町に来て3年、たくさんの人々、畑の作物たち、山々、木々など多くのものに支えられ、ここに家を建てて永住しようと決意しました。家を建てる?どこに、どんな?何もわかりません。あるのは、ただ漠然と「木の家」それも長野県の木という希望だけです。ホームページで検索。何件かヒットした中に、美し信州建設がありました。一目見て心の中に残りました。折を見て、陽なたの家をたずねてみました。案内してくださった方の対応、家に対する愛情と熱意を感じました。その後、完成したお家に住んでいる方をお訪ねする企画(拝見させていただいたお家の皆さまにも背中を押されました)、完成見学会など、何度か美し信州建設さんが手がけた家を拝見する機会を得ました。そしてここだ!と決意したのです。
ある日、唐突に会社を訪れ、「家を建てたいんですが・・・」。女性一人で全く予備知識もなく。右も左もわからぬ知らない国をひとりで旅しているよう。とんでもないやつだと思われても仕方ないのですが、笑い飛ばされることなく、親切に応対して下さいました。地主さんの快い承諾のもと、家を建てる土地も決まりました。次の難関は農地転用です。何事も「初めて」のオンパレードです。建っている家=存在するものを買うというのは想像できますが、これから建てる家=存在しないものを買うというのは雲をつかむような話です。
設計を担当して下さった静香さんとお会いし、「どんな家がいいですか?」と聞かれても、「・・・住める家」など間の抜けた返事しかできないのですから。それでも何度も図面を書きなおしていただき、私も少しずつ賢くなって(?)、「住みたい家」の形ができていきました。設計図ができ、農地転用は各所の皆さんの手を借りて、これもクリア。スタートからここまででなんと1年です。しかしこの1年、ゆっくりとですが確実に前へすすんでいたのでした。
4月17日、地鎮祭。良く晴れた春の日、神主さんの祝詞の声が響き、それに呼応するようにうぐいすが、カッコーがさえずります。春風に包まれて、「本当に神さんが来たみたいだね」つれあいの一言にこの計画、大丈夫だと確信しました。それから工事が始まりました。建前の日、朝はキラキラと陽の光に包まれていたのに、午後からパラパラと雨が降り始めてしまいました。人が生きるために必要な自然の要素のすべてがこの日にはそろい、建前にもさして大きな影響もなく、無事終了することができたことはありがたかったです。 柱が経つとその後はあっという間に家の形ができていくことに驚き、家の中の工事はとても手間がかかることにも驚きました。自分の家が形作られてくることの不思議。周りの木々に溶け込むような、時間が経ったら自然に還るような家にしたい、その思いがこうして形になっていくのです。
汗を拭き拭き丁寧に仕事を進めていく霜鳥棟梁、ときたま現場を訪ねるといつも間抜けな質問にも丁寧に答えて下さいました。柱の、手すりの木目の流れに仕事への誇りを感じさせられました。壁塗りをご教示くださった遠藤さん。素人がやるよりご自分でされた方が早いのに、とことん付き合って下さいました。床塗りではつれあいと二人無言で塗りまくりました。楽しかったです。工事期間中本当にお世話になりました、現場監督の滝沢さん。現場監督のお仕事って最高に大変だということを知りました。
一年半を経て完成した家に現在住んでいます。薪ストーブの火がパチパチと音を立てています。初めのころは煙に巻かれて、何度火災報知機を鳴らしたことか・・・今はコツをつかんで、火つけ名人に近づいています。カラマツを有効に活用したいとの2人の思いから、ボイラーも薪ボイラーを設置しました。同じ熱を使って水を沸かすのに、なぜか熱源が薪だとお湯が違うんです。「薪のお風呂は柔らかい」と言われますが、薪ボイラーで沸かしたお湯もとても肌あたりが柔らかです。最新の冷めない浴槽とのコンビネーションでいつも温泉気分です。家の設計で一番初めに決まったのがお風呂という、八ヶ岳の峰々を望むお風呂は我が家の自慢です。生活に追われてゆっくりと朝風呂昼風呂に浸かる時間がないのが玉にキズですが。 たくさんの方々の手を借りて、助けられ、完成した家。寝転がって天井を眺めると木目が見えます。背中には心地よく無垢のカラマツ材が触れています。
この家が大好きです。新しい家に住む=新しい地域で生きる、簡単なことではありませんが、たくさんの人々に支えられて生きていることを実感できるから、こんなに勇気づけられることはありません。美し信州建設との出会いは人生の貴重な宝物の一つになりました。これからもお世話になります!