御代田町 ペレットとスマートに暮らす家
築13年のお住まいから特別インタビュー
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2011年にお引き渡しをしたO様ご家族。
2024年には、ご自宅でテイクアウト専門のカレー屋「Otto the spice」をOPEN!
厨房などの増築も美し信州建設に施工をお任せいただきました。
そんなO様ご夫妻に、築13年を経たお住まいについてお話を伺いました。
※本文中、Oさまご夫妻の敬称は、夫)、妻)と表記させていただきます。
住み始めた時のことを覚えていますか?
妻)職場の更衣室で着替えていたら「Oさん木のいい匂いがするけど何ですか?」って言われて「うちね、新築したんだよ!木曽ひのきの匂いだと思う」っていったら「いい香り!」って言ってもらえたのをすごく覚えてる。
夫)クリスマスに引き渡してもらったから、住みはじめが冬だったんだよね。当然使ってないから建物も全然暖まってなくて、引っ越ししながらも寒かった。住み始めて1カ月くらい経ったらおもしろいんですよ。建物が熱を持ってきたのがだんだん分かってきて、建物は動物でもないから生命がって話でもないんだけど、だんだん私たちが生活していく中で、命が吹き込まれてきて温まりだして、自分たちと一緒になってくるような感覚があったのを思い出すね。
家づくりでのピンチはありましたか?
夫)私は、もう美し信州さんに決めてから、あまりピンチとか困ったことはなかったんだけど、そこに至るまでの夫婦の意見のすり合わせの方が色々大変だったかな?自分の意見を多く取り入れてたら、もっと無機質な建物になっていたと思う。木ではなくコンクリートとか。妻の好みに寄せて行ってこれは正解だった。住みやすいしね。お金のことも、そぎ落としもあったけど、それはみんなやることだし。
妻)そうだね。譲れないポイントがうちの場合は3つあって。「吹抜け」、「土間」、「階段」
夫)そうそう。階段は家の中心で抜けのあるものにしてもらいたい!って。なんか階段で遊びたい思いがあって、そう伝えたんだよね。うちは、そぎ落としても譲れないポイントは叶えてもらったからよかったんだけど、もしそれが叶わなかったらピンチだったんだろうね。
13年住んでみて、家の自慢やお気に入りの場所は?
妻)増築する前もウッドデッキで過ごす時間が多くて。ダイニングからウッドデッキで息子と夫がいるのを見るのも好きだし、自分も入ってってそこでご飯を食べたりするのもお気に入り。
夫)ウッドデッキは新築して1年経ったころ後付けしてもらったんだよね。
妻)あっ、そうだ!
夫)それでI型のウッドデッキだったのを、今回の増築でL型に変えてもらって。ここは居心地がいいんだよね。せっかく環境がいい場所だから、屋内だけじゃなくて屋外も楽しみたい!夏にウッドデッキでゴロゴロしたり、お客さんが中に上がらないでもそこでずっとしゃべっていってくれたり。
みんなが集まって来てくれるっていうのが、この家で気に入っている部分。言葉にするのは難しいんだけど、簡単に言うとみんな居心地がいいらしい。今いるダイニングも全然広くないんだけど居心地がいいらしくて、入り浸ってくれる人が多いんです。なんかゆっくり3,4時間お茶しながら遊びにきてくれる。そんな点が一番かな。
妻)最初のプランニングのころからプライバシー性は重要ではなく、どちらかというと開けている方がいいってお願いしたんだよね。開けているから景色が良くて、ご飯作りながら夕焼けがきれいに見えたり、朝起きて最初の窓に浅間山が見えて「あっ雪がふったねー。」とか要所要所のいい位置に窓があって「すごいねー!」って話をしたよね。
夫)そうそう。
妻)「家を見せてください。」って来た方がリビングの窓を見て、「最初からここへ付けようと思ったんですか?」って聞かれて、自分たちは全然思ってなかったですって。でも建てる前に設計の方が敷地を見に来てくれて、こことここへ窓をって考えてくれたんですよって言ったら「へーーーー!」って言ってくれたもんね。
夫)他にも今回増築しているときに(え〜!そうだったんだ…!)って思ったことがあって。窓の高さなんてそんなに意識してなかったんだけど、西面北面の連続性であったり、つながりの美しさを、13年住んだ建物に照らし合わせて発見した!まだ気づかないすごいところがあるんだと思うんだよ。また何年後かにああそうだったのね。って思いそうな気がする。今回自慢が増えました。
これから家を建てる方にアドバイスするとしたら
夫)人を見てください!造り手を見てください!と声を大にして伝えたいです。建物ももちろん、性能ももちろん、数字ももちろんなんだけど、それでもやっぱり人をみてほしい。だって、人の手で造るものですからってだけは伝えたい。どこの会社がいいとか、それは相性もあるから一概に言えないけれど、人だけは間違いなくみてほしいと言えるかな。
妻)そうだよね。信頼関係あってのものだもんね。カレー屋もそうだけど、この人たちが作ってるんだから美味しさが倍増するってのもあるじゃないですか。だから、この人が話してくれたんだもんって。
夫)いずれにしても、人と言う部分はとても大事で、感じて決めてもらえればいいのかな。
妻)大工さんと話してても左官屋さんと話しても誰と話しても気持ちがいい。
夫)そうだよね。美しさんと家の事を話すときに、家の使い勝手とか居心地とか夏冬の快適性とかに目を向けて話したいんだけど、真っ先に人の話が出て来ちゃうんです(笑)
妻)いいと思います(笑)
この住まいで過ごした13年を一言で表すとしたら
夫)「生」!自分も5年前に鬱でどん底を彷徨ったり、今年は妻も乳がんが発見されたりで家族の衝撃が大きかった。生死を考える機会が何度かあって。でも、家族3人と猫二匹でいい関係で来れているから、癌と分かったその夜に、家族で情報を共有して、これからどんな協力が出来るか、サポートが出来るのか決めた上で一番がんばるのは本人なんだけど、バックアップしていこうって息子と話した。
妻)その時、増築で大工さんや監督さんも入ってたんだよね。病院に行くときに(現場監督の)滝沢さんには、行ってきますって言ったんだよ。
夫)誰にでも訪れるだろう「しんどい時」に、日常を支えてくれる場所。渦中の時は大変だから、家に感謝なんて思わないんだけど、通り過ぎてみると普通に快適に住まわせてもらえた場所があったから、他の大事なことに集中できた。当たり前に、快適に暮らせることに感謝ってことだよね。
妻)なんかいいこと言ってる!(笑)そうだね。私も病院への通院も、実家から通う方が近くて楽だったんだけど、全然帰ろうなんて思わなかったし、みんなも行きなとは言わなかったね。
夫)選択した「生」の方へ、みんなで進めた。望まなかった方へ行かなくてすんだ。平凡な最低限でも構わないんだけど、みんなでいられる幸せが骨身に沁みたのかな。
妻)今日もお疲れ様!って家族3人で「乾杯」って出来ただけで幸せだもん。
夫)そうだね。グラスの中身がなんでも、今日一日また3人で越えられたねって。そう言うところを、ずっと見守って来てくれた住まいなんだよね。
妻)私たちをいつも包んでくれてるお家だよね。
夫)妻はどう?13年を一言でいうと?
妻)ん~?「居場所」かな。言葉にすると薄っぺらくなっちゃうのかもしれないけど、常に探してきた気がするんだよね。でもここだよねって。
夫)そうだね。出産のときも、前回の癌のときも実家から通う方が楽なのに、全然選ばない。やっぱり居心地がいいんでしょうね。チビ(息子)が生まれても、一日も早く帰りたいって(笑)
妻)実家は実家でいいんですよ。ホントに。でもこっちなんでしょうね。帰ってきたいのは。
夫)それは、建物もいいし、空気もいいし、俺のつくる飯もいいし(笑)
妻)その通り(笑)
夫)家があって物があってその人がいてトータルで家族だから、住まいはその中でも太い柱の一本なんでしょうね。
(取材のこぼれ話)
夫)軽井沢で木工家具職人やってる友人が来た時にさんざんこの家を褒めてくれたんですよ。一般的な人は、広さであったり温かさであったりとかそういう所を感じるんじゃないですか、でも彼は誰も見ないような細かいところを見るの巾木とか。それで、こんなに丁寧にやってくれる大工さんは軽井沢にはいないって。いたとしてもとんでもなく高額だって。
妻)言ってたよね。
夫)そんなこと聞くとうれしくて。俺が造ったわけじゃないけど(笑)
妻)あーやっぱりそう?!って。いいでしょ!!って言いたくなっちゃった。そこ(美し信州建設)見つけたの私たちって(笑)