佐久市　広々空間で暖かく暮らす家

休日にしか現場に行けない身としては、安心してお任せすることができました

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　家の引き渡しから半年後になる４月の入居から５か月が経ち、引っ越しの慌ただしさから解放されて少しホッとしているところです。

振り返ると、家の建築を模索し始めた十数年前老親が住む住宅は築後40年で傷みもあり、何より冬の厳しい佐久にあって寒いため、今風の暖かい家にしたい、というのが動機でした。そのため、年齢を考えると遅まきながら、住宅展示場や新興団地の住宅群の見学など、勉強と情報集めに取り組み始めました。当時のノートを見るとチェックポイントとして

①空気循環　②脱湿気　③暖かい　④シンプル　⑤木造（なるべく本物）　⑥エコ（暖房、給湯、省エネ）　⑦ソーラーパネル　ガスコージェネレーション

などと書かれています。ところがその後、転勤や職務の転換が重なり具体的な進展がないまま10年近くが経過してしまいました。ただ、今考えるとその間には、美し信州建設さんにつながるヒントがありました。それは、転勤先でＯＭソーラー工法を強く推薦する設計事務所さん、建築会社さんとの出会いや事例に触れる機会があったことで、その延長線上で、「ＯＭ」や「美し信州建設」さんの名称が記憶に刻まれたものと思います。ただ、「美し信州」という名称を「怪しげ」（失礼、根拠も意味もありません。）と感じたかどうかは定かではありませんが、建築だけに集中できる環境になかったこともあり、それ以上踏み込むことはありませんでした。

　仕事が一段落した平成２８年に入って、老親が弱ってきたこともあって「これはいかん」と焦りを感じ、検討を再開して時間を見ては見学を繰り返し、最も熱心だった住宅メーカーからイメージの提案や見学のお誘いを受けるようになりました。が、なかなかしっくりこず、またも足踏み状態になり、若干厭戦気分になっていました。

　そんな折、上田の娘夫婦の住まいの近くで、「陽なたの家」というモデル住宅の前を繰り返し通るうちに、はたと「ＯＭ」「美し信州」を思い出し、名称はともかく見るだけならと見学依頼。２８年３月に伺ったところ大介社長の素朴な説明に「怪しく」はなさそうと安堵すると同時に、コンパクトな外観、大荒れの天気の中暖かい、内装、間取りがシンプルなど好印象を持ちました。　

その年の秋、住宅機器展示会の日に会社訪問。皆さんお忙しい中、中村さんに説明いただき、「怪しい」名称の由来を聞いて納得、資料をいただいて「百年の家」「手の物語」を興味深く読ませていただき、こだわりを理解した上で、美し信州さんにお願いすることにしました。

　そんなこんなで半年かけてようやく、２９年３月に設計カードを作成。以降打ち合わせを重ね、冒頭に掲げた重要ポイントはもちろん、

①年寄り向けに特に暖かさを重視する　②吹き抜けを作る　③北側窓は景色を見ることができる大きさにする　④農作業用の車庫を作る
　
といった希望には丁寧に対応していただきました。打ち合わせの中で、きっかけになった「ＯＭ」は断念しましたが…。

　当初の提案が思っていたイメージにとても近かったこともあり、安心してしまって、あまり詰めて考えることがなかったのは、ある意味家づくりの楽しみの一番の要素を欠いてしまったかも知れないと若干後悔しています。また、着工までにはアクシデントもあり、ご心配と様々にご配慮いただいたことに対しては感謝に堪えません。工事については、丁寧にきれいに仕上げてもらって、見た人が皆さん感心しています。工事中も、周囲への配慮や現場の整理・整頓がよく、休日にしか現場に行けない身としては、安心してお任せすることができました。

　かくして３０年１０月に引き渡し、３１年４月から住んでみて希望どおりの木の香りと肌触りでとても快適です。特に床は、桧、唐松ともに特徴があり、裸足で過ごし、手でなでまわし、北側の大きな窓からは田んぼの緑の上に浅間山がという絵のような風景を楽しんでいます。また、寒い時期は留守にしていましたが、夜帰っても暖かさを実感できた一方、この夏の暑さに対しても快適に過ごすことができました。住んでみるといろいろ気づくこともあり、もう少し真剣に考えておけばよかったと思うことも出てきました。例えば棚をもっと付けておけば良かったなどということもあり、また相談に乗っていただければと思います。

　終わりに、モデルハウスでお願いするきっかけを作っていただいた大介社長、「怪しい」懸念を解き、困ったことには何でも奔走してくださった中村さん、イメージに近い図面を引いていただいた平林さん、いやな顔一つせず現場を仕切っていただいた滝澤さん、こつこつと丁寧に仕事していただいた棟梁アキラさんはじめ関係者の皆様に心から感謝申し上げます。（2019年8月）