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農村の民家は、土間・板間などの作業空間と奥の間・座敷から成っていました。奥の間は人の空間というより神や仏の宿るところと考えられていて、寝るとき以外の日常生活は、この土間・板間の作業空間でほとんどが行われていたようです。想像をしてみると、この空間は炊事の場でもあれば、家族の食事、団欒の場でもあり、人が訪ねてくれば語らい、社交の場にもなり、農作業の準備、夜なべ仕事の場・・・と、さまざまな用途に、まさに変幻自在に対応する空間であったのでしょう。 必ず設けられていたこの土間空間が、いつから日本の家から消えてしまったのでしょうか? 現代の生活では不要なものなのでしょうか? そんな事は無いですよね。キッチン・食堂・居間に上手な形で続いていたら、これらの部屋の機能は驚くほど違ってきて、もっともっと幅広く複合的な働きをし、日常の生活を豊かなものにしてくれるはずです。 屋内なのに屋外的な用途として使える、この土間という空間の価値をもう一度考え直していくべきだと思っています。 この土間空間に薪ストーブを置き、居間や庭との繋がりを演出している上田市のM様のお宅が、お客様のご厚意により見学させていただけることになっております。お住まいいただいている家の見学会です。滅多に無い機会ですので、是非お出掛けください。 なお、予約制となっておりますので、詳しくはホームページをご覧下さい。 |