20年経ったモデルハウスをリノベーション

フローリングや階段、柱は20年前の建築当時のまま。信州カラマツ無垢材のフローリングは、年を重ねるごとに色合いが深まり、肌になじむ足触りとなる。塗り直した内壁は、調湿や消臭機能に優れた100％自然素材の「薩摩中霧島壁」。熟練した左官の技によって、繊細な風合いを醸している

befor

上質な無垢材で整えられた空間に、北欧デザインの家具が映える。ケーシングの境まで漆喰が丁寧に塗り込まれた様子などに、職人のこだわりが息づいている。デザイン性だけでなく快適性にも注目。冬は太陽光で温められた空気が循環し、足元からぽかぽか

玄関とLDKをゆるやかに分ける吹き抜け階段。安心して上り下りできるよう、幅や蹴上げの高さは計算済み。フォルムの美しさに、大工の丁寧な仕事が垣間見える

ダイニングとシームレスにつながる和室は、雪見窓から坪庭を望む造り。埋め込み式の照明と和紙素材で統一した引き戸が、統一感のある上品な空間を生む。
この和室は20年前のまま。確かな仕事が時代を越えて心地よさを感じる。

befor

庭の植栽と調和するシックな外壁。塗り壁部分は、シラスと呼ばれる火山灰から作られた外壁材「そとん壁」で既存のまま。耐久性が高く、築後20年経った今も劣化の兆しは見られない

程よく外光が差し込む玄関。左奥まで三和土が続き、アウトドア用品の収納に便利なつくり

家族みんなで使えるオープンスペースの書斎は２階に。背面カウンター下には大容量の本棚を備えた

ダイニングの家族と対話できるキッチン。吊戸棚は飾り棚に変更し、すっきりスタイリッシュに。造作の収納は、温かみのある木肌と黒のプルハンドルがお洒落

フリースペースだった2階の空間に壁を新設し、子ども部屋に改修。夫婦ふたりだけの生活から4人家族へ変化していくストーリーを想定し、可変的な住空間を提案

befor

塗り壁部分は、シラスと呼ばれる火山灰から作られた外壁材「そとん壁」で既存のまま。耐久性が高く、築後20年経った今も劣化の兆しは見られない